green20160902442418_tp_v-2

あなたは、今の仕事に心の底から納得しているでしょうか。あなたがSE(システムエンジニア)で、この質問に自信を持って「はい」と答えることができないならば、あなたの心の中に何か悩みや迷いのようなものがあるのかもしれません。

あなたがSE以外の仕事をしていたとしても、似たようなことは言えると思います。しかし、SEという職種は特に一人一人が自分の仕事に納得していることが求められていると思います。それは、SEの仕事は専門性が高い技術職でありメンバーが正しい役割を理解して仕事を進めていかないとプロジェクトが成功しないからです。

ここでは、SEが今の仕事に心の底から納得してから進めることの重要性についてお話ししていきます。

あなたの仕事は、会社が進みたい方向性にしたがって与えられている

あなたが会社員であるならば、基本的に仕事は会社の上司から与えられるものです。そして上司は、会社が進みたい方向性を十分に理解していて、その方向性にしたがって組織全体を検討した結果として、あなたに今の仕事を割り当てています。

そのため、あなたが今の仕事に心の底から納得して主体性を持って進められているならば、あなたはきっと良い成果を出せるでしょう。それによって、上司も会社もみなハッピーになれると思います。

ところが、今の仕事にあまり納得していないSEもいることと思います。むしろ現実には、今の仕事に納得していないSEの方がずっと多いのではないでしょうか。ここでなぜSEが自分の仕事に納得できなくなる原因について考えてみます。

担当する仕事に興味が持てない

仕事があなたのやりたいことと異なっていたり、担当するアプリケーションが運悪く社内のマイナーなお荷物製品だったりする場合です。

仕事の割り振りについては、普通は直属の上司が権限を持っています。そして、仕事は明確な期限が決まっていたり、ローテーションにより定期的に変わるものです。したがって、単に現在の担当する仕事に興味が持てないのであれば修行と思って一定期間は懸命に取り組むのも良いのではないかと思います。

それでも今の仕事に興味が持てないのであれば、一度は上司に相談してみましょう。それで上司が仕事の担当を変えてくれる場合もあります。あなたが、「社内の仕事でこういうことがしてみたい」「今の仕事よりもこちらの仕事の方が自分のスキルを生かすことができる」とアピールすれば、聞き入れられる可能性が出てきます。

しかし問題なのは、「会社内のどこを探してもやりたい仕事が見つからない」とか「会社に、将来自分がしたいと思う仕事をしている上司がいない」などという場合です。このような場合、異動先がないので異動希望を出すことができません。そのため、会社を辞めることを含めて身の振り方を考えなければなりません。

SEが向いていない

ネットビジネスを始めとして、スマートなIT業界のイメージを持ってSEになったいう人は意外に多いと思われます。しかし、実際にSEになってみると以前のイメージとは大きなギャップを感じる人が多いです。SEの仕事は、現場に多くの時間を取られて泥臭いものもありますし、長時間労働になりがちです。

そして、SEとして長く仕事を続けられる人はそれほど多くありません。「顧客との仕様打ち合わせをやっていて、メンバーの中で自分だけが話について行けない」「顧客との定例会議が苦痛で仕方がない」「アプリの設計やプログラムのことがさっぱりわからない。勉強する気も起きない」と感じる人もいるはずです。

SEの仕事は専門性が高く、適性が割と分かれる職種であると思われます。したがって、「この人はどう見てもSEに向かないだろう」という人で、SEを長く続けている人はまずいません。たいていそのような人は、営業部門、製品開発部門、もしくは企画部門に行っています。そして、異動先の職場で良い仕事をしています。

したがって、もしあなたが「SEとして仕事を始めたけれども、自分には何か合わない。続けられる自信がない」と感じていたとしても、決して落ち込んだり自分の能力を恥じないでください。あなたに能力がないのではなく、単にSEに向いていないだけなのです。

所属する会社がシステム開発専門である場合、SEを辞めることは会社を辞めるのと同じであるケースもあります。そのようなときも、転職を含めて身の振り方を考えていく必要があります。

職場の環境や雰囲気が良くない

SEが会社に属する場合、職場の環境や雰囲気も悩みの原因になります。例えば、あるSEがソフトウェア開発の仕事をしているとします。「自分は定時になったら退社して、夜は趣味やボランティア、または家庭の手伝いをしたいと考えていた。それなのに、職場の人は皆残業している。自分も帰りづらくなる」ということがあります。

または、大勢が一つの狭いオフィスに閉じ込められて、隣の人とのスペースもないようなタコ部屋で仕事を続けなければならないといったケースもあります。職場の環境が悪くても気にならない人は良いですが、環境しだいで体を壊したり望んでいない多残業をさせられて心身を病んでしまっては、何のために仕事をするのかわからなくなってしまいます

職場の人間関係も大きな問題になることがあります。組織で仕事をする以上、あまり人の好き嫌いばかりを言っていては仕事になりません。しかしチームで仕事をしているのに、あまりにも協調性がない人や人の話を聞かずに場を乱すようなことばかりする人もいるものです。

そのような人がチームにいると、チームでの仕事がたいへんやりにくくなり、同時に雰囲気も悪くなります。ある職場で、SEの離職率が異様に高い職場がありました。そこの話を聞いてみると、その職場の部門長にあたる人がとてもクセのある人で、部下の話を聞かないため当然部下との話がかみ合いませんでした。

そしてその職場にどのような部下が来ても、皆仕事のやる気を失っていました。このような職場に配属されてしまうと、悲劇というしかありません。異動願いを出すか、会社を辞めるしかない場合もあります。

会社の方向性とあなたの考えが合っていない

あなたの仕事は、会社の進むべき方向性と合致する形で上司から与えられているはずです。例えば、会社はあなたにアプリケーションのスペシャリストになってほしいと思い、あなたにアプリケーション開発の仕事を与えました。

しかし、あなたは特定アプリケーションのスペシャリストではなく、プロジェクトリーダーやマネジメントの仕事をしたいと考えているとします。このようなケースでは、あなたが若手から中堅までの社員ならば、今の仕事は修行と割り切って将来的に異動希望を出すという手があります。

一方、あなたが中堅以上の社員ならば会社はあなたの希望や能力を正しく評価せずにいわゆる「会社の都合」で仕事を与えている可能性があります。

つまり、「会社はあなたの本当の希望を知っている。しかし組織の論理によって、この仕事はあなたに割り当てるしかない」ということです。

このような場合、会社はあなたの本当の希望や能力を発揮する場をあなたに与えようとしていないのです。このように、会社の方向性とあなたの考えが合っていないということですので、不本意ながらも今の仕事を続けるか、または会社を辞めるかの選択が必要になってきます。

現在の仕事が、将来のキャリアに影響を及ぼす

あなたが、今の仕事に心から納得していない場合の問題点は他にもあります。それは、今の仕事が将来のあなたのキャリアに影響を及ぼすことがあるのです。

「嫌な仕事を引き受けるのも会社員の務めだ」と言わんばかりにいやいや仕事を引き受けてしまうと、そのうち「その仕事が分かるのはあなただけ」ということにもなりえます。そうなると、あなたはその仕事からますます離れられなくなってしまいます。特に、スペシャリストの仕事はそういう傾向があります。

そうなると、アプリの新規開発から過去バージョンの保守まで、様々な雑用を押し付けられます。そして、そのアプリが技術的に目玉を持っておらずつぶしの利かないものだったりするとさらに悲劇です。あなたがその道のスペシャリストであるということで、あなたの膨大な作業時間や労力がアプリの雑用に費やされるのです。

このように、現在の仕事が将来のあなたのキャリアに影響を及ぼすことを忘れないようにしてください。

これまで述べたように、SEは、今の仕事に心の底から納得して進めることが何よりも大切です。納得した仕事をしていれば、仕事自体も良い結果が出せるでしょうし、たとえ失敗してもやっている本人はその仕事に納得しているので結構幸せに感じられるものです。

しかし、もしあなたが今の仕事に納得していなかったら、忙しいときでも少しだけ時間を割いて、今後の身の振り方を真剣に考えてみるべきでしょう。

「自分は、今の仕事を続けていきたいのか」「今の仕事は、会社の発展につながるのか」「自分が上司だったら、メンバーにどのように仕事を割り当てるか」「会社の目指している方向性は明確か。自分のキャリア形成にマッチしているか。会社に将来性があるか」といったことをあなたなりに考えてみることが必要です。

そして、あなたが今の会社の将来性に不安を感じているならば、転職も視野に入れて考えた方が良いのかもしれません。