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SE(システムエンジニア)の仕事は、コンピューターシステム分野の全般にわたって高度な専門性を必要とします。普通の会社員として仕事をする場合でも、上司や同僚のやっている仕事とは全く違う専門性を求められることがあります。

そのため、会社の一員として仕事をしているのに、自分の上司が自分の仕事をさっぱり理解していないということも実際によく起こります。

そのような状況が続くと、SEの中には「私は、意欲的に自分の仕事をこなしている。お客からも一定の評価を受けている。しかし、上司が自分の仕事ぶりを正しく評価してくれているのだろうか」と、不安になる人もいるでしょう。

ここでは、SEの上司(マネージャー)が部下のSEの仕事をどのように評価しているのかについてお話ししていきます。そして、現場で働いているSEが会社との間に価値観のギャップを感じたらどうしたら良いかについても述べていきたいと思います。

あなたがSEで、もし「上司から思うような評価が得られていない」と思っていたら、ぜひ参考にしてみてください。

SEの仕事に対する客観的・定量的な評価基準はない

まず、営業職種のように結果が数字で現れる仕事と違い、SEの仕事の評価基準は実にあいまいであることを理解する必要があります

一般にSEの仕事は、「技術力」「リーダーシップ」「コミュニケーション力」「プロジェクトマネジメント力」「顧客満足度」…といった観点で成果を出すことが重要であると考えられています。しかし、これらの尺度は一目見てわかるようになかなか定量化ができないものです。

上司はSEの仕事ぶりを細かく見ていないし理解もしていない

SEの仕事は、個々の専門性が高くなる傾向にあります。SEが専門性の高い仕事をしている場合、直接その仕事に携わっていない他人が追従していくのはたいへんな困難を伴います。事実上、無理であるといって良いでしょう。ここでの他人というのが、SEの上司であったとしても同じです。

そのため上司が部下の仕事の進め方を一つ一つ確認することは、まずできません。もし上司がそのようなことをしていたら、体がいくつあっても足りなくなるでしょう。

その結果、「上司は、じつのところ部下の仕事の成果がどうなのかよく分からない。成果の定量化もできない。けれども、定期的に部下を評価しなければならない」ということになります。

上司はSEの仕事を主観で評価する

それでは、上司はSEの仕事をどのような尺度で評価しているのでしょうか。それは、一言で言うと「主観」です。しかも、最終的に評価を決定する上司はSEの直属の上司であるとは限りません。会社における人事評価の権限者(人事権者)になることに注意しましょう。

「SEの評価が、会社の人事権保有者の主観で行われる」と聞くと、かなり理不尽だと思われるかもしれません。しかし、これが会社という組織の実情であると考えられます。

そのため、もしあなたがSEとして仕事をしていて直属の上司の言に忠実に従っていたとしても、会社内でそれに見合った評価を受けられるとは限りません。

SEの評価は、最終的に人事権者の印象で確定する

仮にあなたの能力が、直属の上司に認められていたとしましょう。それでも、直属の上司に人事権がなかったらあまり効力がありません。せいぜい、直属の上司が人事権者に対して事あるごとにあなたの成果をアピールしてくれるかもしれないというだけにとどまります。

他部署に似たような実力や実績の持つ社員がいたとして、その社員があなたよりも先に人事権者に認められたら、あなたの評価はどんどん後回しにされてしまうのです。

したがって、SEが会社で仕事をする上で重要なのは「現在の人事権者にどれだけ印象良く映るか」を気にすることであると言えます。

あなたの設計したシステムがどんなに優れていてお客さまの評価を得ようとも、どれだけ苦労してシステム開発のコストを節約して会社の利益に貢献しようとも、最終的にあなたの評価は人事権者の主観で決まってしまうのです。

会社の上司がみな価値観の合わない人ばかりだったらどうするか

もしあなたがこれまでの話を聞いて、「要するに、SEと言っても他の職種の会社員と同じなんだ。人事権者のご機嫌取りに徹すれば良いのだ」と考えられるならば、あなたは非常に恵まれた環境の中にいると言えます。ぜひ、今の環境でさらに仕事をがんばってください。

しかし、次のように感じた人もいるのではないでしょうか。「私は、SEの仕事に誇りを持ってやってきたし、成果も出している。お客や同僚からも信頼を得ている。しかし会社の上司がみなあまりにも狭量で、どうにも折り合いが悪い。このような上司の印象を良くするための努力など、意味がないのでしたくない」

このようなSEは、おそらく会社や上司と価値観が合わないのだろうと思います。そしてこのように考えるSEはたいてい優秀で、上司から指導を受けることはほとんどなく、システム開発プロジェクトを実践して問題が起きてもほとんど自己解決してしまうような人であると言えます。

会社員が上司に恵まれない場合、本当に悲劇です。それでも、会社が利益を出していればそれなりの給料が保証されますが、そうでないならばなおのこと悲劇であると言えます。そして、今は上司に恵まれている人であっても、ある日突然上司が変わってとたんに上司との折り合いが悪くなることもあります。

現場感覚を持ち合わせていない上司ばかりの会社は危ない

会社の上司とは、たいてい管理職(マネージャー)クラスの人だと思いますが、システム開発会社の管理職は、現場のリーダーシップやマネジメント能力を全く磨かずに役職だけもらってしまったような人も少なくありません。

そのため、部下への配慮ができなかったりビジネス感覚が欠如していたりする管理職がたいへん多いのです。特に、現場を離れて10年以上の管理職がうようよいる会社は要注意です。現場のニーズが昔と変わっているのに気づかず、昔の成功体験のみを頼りにちぐはぐな施策を取ってしまいがちです。

あなたが現場の第一線で活躍しているSEだとします。あなたがもし会社に対して価値観のギャップを感じているならば、それはそのままユーザーのニーズと会社の方針との間のギャップであると言えます。

会社が、自社製品とユーザーのニーズのギャップを埋めようという努力をしなければ、その製品は売れなくなりやがて会社は倒産するでしょう。

会社と価値観の違いを感じながら仕事をするのは苦しい

もしあなたが会社員でSEの仕事をしていて、会社の方針や上司と価値観が合わないと感じたらどうしたら良いでしょうか。今の会社で何とかがんばって行くという選択肢もあるでしょうが、より良い結果を出したいと考えるならば、転職や独立をおすすめします。

仕事をしていれば、たいていは苦しいときがあります。もしあなたが会社の仕事に心底から納得しているのであれば、苦しいときでも意欲を途切らせることなく仕事を進めることができます。そして、最終的に良い結果につなげることもできるでしょう。

しかし、会社や上司と価値観の違いを感じながら仕事をしていたとしたらどうでしょう。きっと、普段から仕事に熱を上げることもできないでしょうし、苦しいときにはやる気も失せてしまいます。これでは、あなたにとっても会社にとっても良い結果をもたらすとは思えません。

このように、会社員であるSEの仕事の評価は定量化が難しく、その結果多くは主観的な判断になります。それも、最終的に評価を下すのは人事権を持つ上司です。必ずしも直属の上司であるとは限りません。

会社員である以上、ある程度は上司のために仕事をする必要があります。しかし、もしあなたが会社の方針や上司との間に価値観のギャップを感じたならば今後の身の振り方を考えたほうが良いかもしれません。

一般にSEは、仕事にやりがいを求めます。仮に仕事が思うように行かないことがあっても、普段からやりがいを感じていれば自力で克服もできます。しかし、会社や上司と価値観のギャップを感じたままで仕事にやりがいを持つのも難しいでしょう。今の仕事に、心の底から納得していることが重要です。

SEの仕事は、長時間拘束されることも珍しくありません。あなたが、このまま多少の価値観のギャップはしょうがないと考えて今の仕事を続けていけば、やがて取り返しの付かないような多大な時間を浪費してしまうかもしれません。

もしあなたが会社や上司と価値観のギャップを感じていて、今後も埋まりそうにないならば転職や独立を考えてみるのもよいでしょう。