ewfawefegr_TP_V1情報システムで取り扱うデータは、「サーバー」と呼ばれるコンピューターに保存されます。では、サーバーと普通のパソコンでは、何が違うのでしょうか?

ここでは、情報システムの担当者が知っておくべき「サーバーに関する基礎知識」についてお話します。ここで述べる内容を理解することにより、情報システムにおけるサーバーの位置づけや必要性、および情報システムそのものへの理解を深めることができます。

サーバーとは

サーバーとは、パソコンと同じくコンピューターの一種です。それでは、サーバーはどのようなコンピューターかというと「システムにおけるさまざまなサービスを提供するコンピューター」をいいます。

サーバーが提供するサービスには、実にいろいろな種類があります。例えば、扱うデータを保管する「データベースサービス」、画像や動画などのファイルを保管する「ファイルサービス」、WebサイトやWebアプリケーションなどを動かす「Webサービス」といったものがあります。

これらのサービスをサーバーで動かすことにより、システムは動くのです。またサーバーは、次のような使われ方をします。

  • 24時間365日連続稼働が基本になる
  • 電源が一瞬停止したとしてもシステムの動作に支障をきたさないように、UPS(無停電電源装置:予備の電源装置)とともに使われる
  • サーバーの操作は、システム構築やメンテナンスなど、システム管理の作業が主体になる。サーバーを使って日々の業務を行うことは想定されない

このことから、サーバーは次に示す特徴を持ちます。

  • CPU(プログラムの処理を行うもの)やメモリー、補助記憶装置(ハードディスクやSSDなど)のスペック(性能)は、パソコンに比べて高いものを使う傾向がある(しかし、低スペックのサーバーも存在する。そのため、必ずしもサーバーが高スペックであるとは言えない)
  • 連続稼働の前提にもとづき、信頼性の高い部品が使用されている
  • 電源やネットワークポート(ネットワークの接続口)は、信頼性向上のために多重化(冗長化)が行われる
  • リモートメンテナンス(遠隔地からネットワーク接続して行うメンテナンス)用の機構が備わっている
  • サーバーで動作するオペレーティングシステム(OS:システム全体を管理するプログラム)にも、連続稼働が求められる。原則、一度稼働したら再起動しなくても使えるように作られている
  • サーバー画面の操作(フォアグラウンド処理)よりも、サービス機能プロセス(バックグラウンド処理)の優先度が高くチューニングされている

なお、「サーバー」に対してサービスを利用する方のパソコンのことを、「クライアント」または「端末」といいます。合わせて覚えておきましょう。

サーバー筐体の種類と特徴

サーバーの筐体(きょうたい:機械の外側を構成する箱)は、パソコンよりも部品点数が多いため、一般的なパソコンよりも大きく、さらに重くなります。このことから、サーバーの接地面積は大きくなりがちです。

そのため、サーバーの筐体の種類と特徴について理解しておくことは重要です。サーバーの筐体には、次に示すような種類があります。

  • タワー型
  • ラックマウント型
  • ブレード型

タワー型は、一般的なタワー型パソコンとほぼ同じイメージです。床の上含め、設置スペースがあればどこにでも置けるのがタワー型のメリットです。しかし、「台数が増えたときに収納効率が悪い」という欠点があります。

ラックマウント型は、サーバーを収納するためのラックである「サーバーラック」に収納するのに適したサーバーです。サーバーラックに集約して設置できるのがラックマウント型のメリットです。また、サーバーを搭載したサーバーラックは大変重くなり、500キログラム以上になることもよくあります。

そのため、サーバーラックへ搭載するサーバーを決めた後にサーバー+ラックの重量が床の耐荷重を超えていないかを確認する必要があります。

また、サーバーラックに収納する機器は、高さが1U(約44ミリメートル)の倍数に統一されています。そのため、一つのラックに収納できる機器の数は計算しやすいといえます。

ブレード型は、CPU・メモリー・補助記憶装置(ハードディスクやSSDなど)を一つの薄い筐体にまとめたものです。一つのサーバーの厚さは、30~50ミリメートルほどです。また、形状が刃(ブレード)のようになっていることから、このように呼ばれます。ブレード型は、サーバーの集約効率を高めるために考案されました。

ブレードサーバーは、「ブレードシャーシ」という筐体に装着して使います。ブレードシャーシは、ブレードサーバーを動作させるために必要な電源やネットワークなどの入出力ポートを持っています。また、一つのブレードシャーシに6~10台程度のブレードサーバーが装着できるようになっています。

ブレードサーバーは、ラックマウント型よりもさらに小型であり、複数台のサーバーの集約効率を上げることができます。しかし、ブレードの規格はサーバーベンダー(サーバーの供給業者)によってまちまちで統一されていないため、「サーバー自体の管理が難しくなる」という欠点があります。

サーバーを選ぶときは、設置場所の制約やサーバーの集約化をどこまで行うかなどの条件により決定します。

サーバーのオペレーティングシステム

サーバーにおけるオペレーティングシステム(OS)は、Microsoft社のWindows Serverファミリーやレッドハット社のRed Hat Enterprise Linux ファミリーが有名です。これまで述べたように、サーバーはパソコンと同じくコンピューターの一種です。

したがって、サーバーに対してパソコン用のOS(普通のWindowsなど)をインストールすることもできます。しかし、パソコン用OSはサーバーの提供するサービスへの対応機能が不十分です。そのため、実際にはサーバーとして用いることはできません。やはりサーバーには、サーバー用OSを正しくインストールすることが必要なのです。

このように、サーバーコンピューターはパソコンとは異なるいくつもの特徴を持ちます。あなたが、ここで述べたサーバーに関する基礎知識を持っておくことで、システム設計およびシステムそのものへの理解をさらに深めることができます。