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システム開発のプロジェクトを実施すると、多くの場合スケジュールの遅れが発生します。ただでさえ、短納期のプロジェクトが増えています。

その上さらに、開発項目が追加になったり別のプロジェクトのトラブル対応が入ったりして予期していなかった仕事が入ってくるものです。プロジェクトが遅れてきたときにどのように対応すれば良いでしょうか。

ここでは、システム開発プロジェクトで遅れが発生したときの対処法についてお話ししていきます。ここで述べる内容を理解することで、プロジェクトを安定的に進めてステークホルダーに迷惑をかけないプロジェクトマネジメントの技術を学ぶことができます。

人・金を追加投入するなら早期対策が鉄則

プロジェクトのスケジュールが遅れていたとしても、問題点がきちんとプロジェクトで管理されていて問題解消のための具体的な方策が示せているのであればあまり心配はいりません。

そうではなくて、現在の進捗が誰も把握できなくなったり毎週毎日のように新たな問題が積み上がって対応が追いつかなくなったりしてくれば要注意です。一度このようになると、メンバーは目先の問題ばかりに振り回されてプロジェクトの終わりが見えなくなってしまいます。

そしてプロジェクトマネージャー(PM)も、ただメンバーに問題対応を「やれ」というだけでメンバーと同じように迷走していきます。このような「ヤバい」状態が続くと、本当に取り返しの付かないことになってしまいます。

通常、このようにスケジュールに遅れが出てコントロールできなくなった場合には「人海戦術」すなわち人・金(外注)を追加投入します。しかし、人海戦術を取るならば必ず早期対策を心がけてください

少しぐらい遅れていても具体的な対策を取らずにいて、プロジェクト終盤になってやはりこらえきれなくなって人・金を追加投入するというのは、最もまずいやり方です。

なぜなら、新しく投入された人が戦力になるのはある程度プロジェクトになじんだ後です。それまでは、既存のメンバーが労力を割いて新しいメンバーに仕事を教えたり作業引き継ぎを行ったりする必要があります。

したがって、既存のメンバーがただでさえ疲弊しているのに追い打ちをかけて仕事を増やすことになります。そうしていると、プロジェクトがますます遅れてしまうのです。

そして、その遅れをリカバリーするためにまた新たなメンバーの時間が割かれてしまい、元々の遅れは一向に改善しない……というように、想像するだけでも恐ろしい事態に陥るのです。

ステークホルダーの理解を得る

それでは、本当にスケジュールが遅れてPMの力だけではどうにもならないとなってしまったらどうしたら良いでしょうか。まずは、現在の状況を正しくステークホルダー(プロジェクトの各方面の関係者)に説明し、理解を得ることです。

PMにとって、スケジュール遅れをステークホルダーに説明することは屈辱的に思うかもしれません。しかし、そのような事態に陥った責任の一端はPMにあります。また、多くの場合スケジュール遅れはPM一人のせいで発生するわけではありません

ユーザーやプロジェクトメンバーの外注に問題があって、遅れにつながる場合もあります。プロジェクトは、さまざまなリスクをはらんでいる中で進みますのでPM一人の力ではどうにもならないこともあります。

そのような場合、人海戦術に頼ってさらにもがくよりも、先にステークホルダーへの状況説明を行って理解を得る方が良いのです。ステークホルダーの中には、プロジェクトが遅れていることを知りリカバリーに協力してくれる人がいるかもしれません。

このような遅れの状況をステークホルダーに隠そうとするPMが時々いますが、決してそのようなことをしてはいけません。隠し通せているうちは良いですが、たいていそのようなプロジェクトは遅れが大きくなって隠し通せなくなり、さらに傷口を広げてしまう結果となるのです。

このように、スケジュール遅れの対応は「人・金を追加投入するならば早期対応が鉄則である」と言えます。また、どのような遅れであってもステークホルダーに正しく状況を説明し理解を得ることが重要です。

ステークホルダーに状況説明し理解が得られれば、たとえプロジェクトが遅れている状況が変わらなくてもステークホルダーの受け止め方が変わります。そして、問題が問題ではなくなることもあます。プロジェクトの現場では、実際このようなこともあるのだということを、ぜひ知っておいてください。