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システム開発の仕事は、普通は一回限りの非定常業務です。それと、開始時期と終了時期が決まっています。そのため、システム開発は一種の「プロジェクト」であると言えます。プロジェクトは、成功してすべての作業を申し分なく完了することもあれば、失敗してプロジェクトが中止になったり大きな損失を出して終わったりすることもあります。

プロジェクトを行うからには、誰もがプロジェクトを成功させたいと願っていますしかし、実際には失敗するシステム開発プロジェクトが後を絶ちません。それでは、「失敗するプロジェクトの特徴」とはどのようなものがあるでしょうか。

ここでは、システム構築において「失敗するプロジェクトが持つ3つの特徴」についてお話ししていきます。ここで述べる内容を理解することにより、システム構築プロジェクトを失敗させないために必要となる基礎知識を習得できます。

さらにそこで得た知識を現場に活用していくことで、顧客から喜ばれて会社に利益をもたらすプロジェクトマネージャーとなるためのスキルを磨くことができます。

プロジェクト終了条件が不明確である

プロジェクトにおける「成功」とはどんなものでしょうか。それは、プロジェクト別に定義されプロジェクトによって異なるものです。成功の定義は、例えば「利益を何%出すこと」「○○○○年○○月○○日の納期通りに稼働させること」「新規開発案件として、100%客先要求を満足すること」など定量的に行います。

そして、プロジェクトには「終了条件」があります。プロジェクトが終了条件を満たすと、そのプロジェクトは終了したとみなされます。そしてプロジェクトの終了後、そのプロジェクトの成否が判断されます。しかし、その終了条件があいまいなプロジェクトが多いのです

プロジェクトの終了条件が、例えば「顧客の全部の追加要望に対応する。かつ、開発予算は当初のままとして、決して超過してはならない。納期は、当初のままで変えてはならない。プロジェクトの担当者は、スキルに不安のある要員A氏だけとする。これ以上要員を追加することはできない」のようになっていたとします。

要するに、このプロジェクトはどうやっても無理な終了条件が課されてしまいまともにプロジェクトが終了できないのです。このような終了条件が、現実にあるわけがないと思われるかもしれません。

しかし、プロジェクトには社内の営業や管理部門、開発部門など多くの部門が複雑に絡んできます。そのため、実質的にこのような状況になることはよくあると思って間違いありません。

終了条件が不明確なプロジェクトは成功の定義があいまいになります。このような形のままでプロジェクトを進めると、プロジェクトとしての意思決定を行うたびにその意思決定基準がぶれる原因となります。結果として、プロジェクトが失敗するのです。

客先の意思決定権限が、複数の部門に与えられている

システム開発会社は、顧客の要求事項を満足させようとしてさまざまな仕事を行います。しかし、顧客の意思決定が例えば「システムを使用する現場部門」と「システムの管理部門」で分かれていた場合、システム開発会社はどちらの部門の意見に従えばよいのかわからなくなってしまいます。

通常、現場からは「ボトムアップの要求」(機能の拡張要望)、管理部門からは「トップダウンの要求」(予算などの制約条件や全体の調和を重視した要求)が出るものです。つまり、現場と管理部門からは逆の要求が出てくるのです。このような状況に手を打たないと、やはりプロジェクトが失敗する要因となります。

これらの要求事項に対応するには、現場もしくは管理部門の一方に偏って言いなりになってはいけません。システム開発会社は、両者のアプローチに理解を示した上で会議を開いて参加者の判断を仰ぐなど、プロジェクトとしての判断をしていかなければならないのです。

現場とマネジメントが調和していない

システム開発会社の社内体制に問題がある場合もあります。通常、プロジェクトの現場はシステムエンジニアやプロジェクトリーダーが担当します。そして、プロジェクトの後方支援をプロジェクトマネージャーが行います。

そのような場合に、プロジェクトマネージャーがプロジェクトリーダーに仕事を丸投げしていたとします。すると、現場で問題が起きるたびにプロジェクトリーダーがすべて対応することになり解決に時間がかかるようになります。そして、プロジェクトの遅れが発生し、やがて対応しきれなくなります。

そのような状態を放置すると、プロジェクトの遅れが顕著になり顧客やプロジェクト関係者からのクレームとなります。その結果、やはりプロジェクトは失敗とみなされてしまいます。そのため、プロジェクトを進行する中でプロジェクトメンバーにおける「現場とマネジメントの調和」が重要になるのです。

ここまで述べたように、失敗するプロジェクトには3つの特徴があります。あなたが進行しているプロジェクトにこのような兆候が見られた場合、至急対処するべきです。日頃より、担当プロジェクトにこれら3つの特徴が見られないかどうか確認するようにしてください。そして、あなたの担当プロジェクトをぜひ成功させましょう。