MAX_sumafowonigiru20141025170153_TP_V-2

システム開発の仕事は、一般に「プロジェクト」と呼ばれます。プロジェクトは、ごく小規模なものを除きほとんどが複数人の力で進められていきます。

プロジェクトに関わる人のうち、総責任者となる人が「PM」(プロジェクトマネージャー)です。PMは、プロジェクトにおける中心人物でありプロジェクトの牽引役です。それに対し、プロジェクトにおいて実務を担当する人は「プロジェクトメンバー」(以後、単にメンバーとします)と呼ばれます。

ここでは、プロジェクト遂行における「PMとメンバーの力を足して100%にすることの重要性」についてお話ししていきます。ここで述べる内容を理解することで、プロジェクトマネジメントへの理解が深まるとともに、プロジェクトを安定的かつ効率的に進める方法を学ぶことができます。

PMとプロジェクトメンバーは、仕事が異なる

PMとプロジェクトメンバーは、役割も仕事も明確に異なります。プロジェクトメンバーの仕事は、「要求されたシステムを期限通りに設計・構築しお客さまに納品すること」です。すなわち、システム開発のすべての実作業はプロジェクトメンバーが実行します(※)。

(※)ここでは、あくまでも原則のお話です。実際のプロジェクトでは、一人の人がPMとプロジェクトメンバーを兼任するなどにより役割や作業分担があいまいになることがあります。

それに対して、PMはシステムの設計・構築を行いません。お客さまとシステム仕様打合せをすることもありません。PMの仕事は、プロジェクトにおけるさまざまな登場人物の利害を調整したり、スケジュールやコストの管理をしたり、外注先(協力会社のメンバーなど)の管理をしたりします。

また、プロジェクトは一回限りの仕事です。そのため、プロジェクトはその遂行中さまざまなリスクにさらされます。リスクを放置すれば、そのうちプロジェクトがうまく進まなくなるかもしれません。

そこで、プロジェクトに発生するリスクを管理し適切に対処するのもPMの仕事と考えられます。一般にPMは、プロジェクトにおけるリスクを察知し顕在化する前に手を打つことが求められます。

このようにPMは、プロジェクトにおいて「メンバーができない、またはメンバーがやりにくい仕事」「プロジェクトで発生するリスクへの対応」などの仕事を行います。

それでは、もしPMがいなければプロジェクトは全く進まないのでしょうか。実際には、そうではありません。PMが不在だったりあまり仕事をしない人であっても、無事終わるプロジェクトもあるのです。一方、メンバーだけではうまくいかないプロジェクトをPMが見事に成功させることもあります。この違いは、どこから生まれるのでしょうか。

PMは、メンバーの意欲を引き出しプロジェクト全体の調和を図る

結局のところ、PMが仕事をするときどのようなことに注意すれば良いかというと、「メンバーの意欲を引き出し、高いパフォーマンスで仕事をしてもらう」「メンバーやお客さまや協力会社を含めたプロジェクトに関わる全体の人の利害を調整し、プロジェクトの調和を図る」ということだと思います。

このことを、数字を使って言い換えてみます。プロジェクトの成果物(稼働したシステムなど)を作るのに100%の仕事が必要であるとします。そのような場合、メンバーだけで100%すべての仕事をやってくれるのであればPMはいなくても良いことになります。

しかし、メンバーの仕事を全部合わせても70%しか達成できないということもあります。そのようなときは、PMが30%の仕事をすることでメンバーとPMの仕事の合計を70+30=100%にしてやれば良いのです。

一方、メンバーが30%の仕事しかできないときは、PMが70%の仕事をしなければならないことになります。そのように、メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出すのがPMの役目だというわけです。

また、PMの大部分の仕事は「コミュニケーション」に使われるとも言われます。PMをやってみるとわかりますが、システム開発のプロジェクトではプロジェクトの共有事項をいかにメンバーに正しく伝えて行動してもらうかが重要になります。

このことはすなわち、PMはお客さまや協力会社を含めたプロジェクト関係者全員とコミュニケーションを行うことが大切であるということです。

このように、プロジェクトを進めるときにPMは「PMとメンバーの仕事を足して100%にする」と考えることが重要になります。最近のシステムは、以前に比べて複雑になりました。それに従い、プロジェクトの仕事が増えPMの仕事も大変になっていると思います。

しかし、PMがメンバーの意欲を引き出しプロジェクト全体の調和を図ることに注力していれば、メンバーもPMについていくようになるでしょう。あなたがもしPMの仕事を引き受けたならば、ぜひメンバーからついていきたいと思われるPMになっていただきたいと思います。