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システム開発の仕事は、誰でも始めることができます。システム開発の仕事をするに当たり、法的に取得が義務付けられた公的資格というものは存在しません。しかし、システム開発の仕事をするのに役立つと思われる公的資格があります。

ここでは、「システム開発の仕事の特徴」とシステム開発の仕事に役立つ資格として「PMP」についてお話ししていきます。ここで述べる内容を理解することにより、システム開発の仕事がプロジェクトとして進められること、およびプロジェクトを行うための知識体系としてどんなものがあるかについて学ぶことができます。

「システム開発の仕事」の特徴

システム開発の仕事の特徴は、「独自性」と「有期性」です。独自性とは、その仕事が一回限りの非定常業務であることを示します。非定常業務とは、「この先に何が起こるかわからない」状況が常に続くということです。事実、システム開発の仕事にはいつもリスクが付きまといます。

そして有期性とは、その仕事に定められた期限があることを示します。この点で、システム開発は明確な期限のない「研究開発の仕事」と異なっています。その他、システム開発の仕事は会社の内外含め多くの人が関わって進められるという特徴もあります。

こういった仕事は、定常業務と区別され一般に「プロジェクト」と呼ばれます。そして、システム開発を担当したりマネジメントしたりしていくには、「プロジェクトマネジメント」のスキルが求められます。プロジェクトの総責任者は、プロジェクトマネージャーと呼ばれます。

プロジェクトマネジメントの重要性は、あなたがシステムを使う「ユーザー側」の立場であってもシステムを構築する「ベンダー側」の立場であっても変わりません。

あなたがユーザー側であれば、プロジェクトの失敗は会社の設備投資戦略の失敗となります。一方、あなたがベンダー側であればプロジェクトの失敗は会社のシステム開発事業の結果につながるのです。

そしてプロジェクトは、多くのメンバーが関わって進められていきます。したがってあなたがプロジェクトマネージャーならば、未経験の内容を含む仕事を実行・監督し、かつメンバーに対してプロジェクトの成功へ向けて方向付けや意識改革をしていかなければならないということになります。

PMPは、プロジェクトマネジメントの知識経験を証明する資格

PMP(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントに関する資格です。元はアメリカ合衆国の団体PMI(Project Management Institute)が主催しているもので、国際的な資格になります。日本では「PMI日本支部」が活動を行っています。

一口にプロジェクトマネジメントといっても、かなり漠然としたものに聞こえるかもしれません。PMPの資格取得では、プロジェクトマネジメントのスキルとして「基礎知識」と「実務経験」の両方を要求しています。

まず知識面では、プロジェクトマネジメント標準の知識体系として「PMBOK」(Project Management Body Of Knowledge、ピンボック)に関する試験に合格することが必要です。

PMBOKの内容は、プロジェクトを5つのプロセス群「立上げ」「計画」「実行」「監視コントロール」「終結」に分けてそれぞれの知識ベースを定めるものになっています。PMBOKの教科書(PMBOKガイド)は、1987年に初版が発行されて以来、現在まで改訂が続けられています。

そして実務経験面では、「一定時間以上のプロジェクト指揮監督経験」とPMI認定の教育機関による「研修受講」をPMP受験の条件に定めています。さらに資格取得後も、3年ごとに資格更新のための自己学習や研修受講が定められています。

PMP資格を持つだけで、誰でもプロジェクトマネジメントの達人になれるとは言えません。しかし、PMBOKには過去に実施されたさまざまなプロジェクトの成功・失敗の教訓が含まれています。そして、内容の改訂が現在も続けられています。

したがってPMBOKは、現代のプロジェクトマネジメントに関する最高の教材であるといえるでしょう。

そしてPMBOKの知識は、必ずしもPMP資格の取得まで目指さない場合であっても役に立ちます。例えばあなたが関わっているシステムの担当エンジニアが、おかしな仕事をしているなと思うことがあったとしましょう。

そのようなときにあなたがPMBOKの知識を持っていれば、そのエンジニアがPMBOKに沿った仕事の進め方をしているかどうかを確認すれば良いということになります。そうすることで、担当エンジニアの仕事の進め方がまともなのかどうかを判定できます。

システム開発の仕事は、普段目に見えにくいものです。ややもすれば、エンジニアの仕事を個人的な思い込みや過去の経験だけで評価してしまいがちになります。そのため、こうした客観的な知識体系を持つことは重要です。

このように、システム開発の仕事はプロジェクトマネジメントのスキルが要求されます。プロジェクトマネジメントの知識経験を証明する資格として、PMPがあります。

そしてPMBOKにはプロジェクトマネジメントの標準的な知識体系がまとめられており、現代のプロジェクトに関わる仕事をする際に大いに役立つ教材であるといえます。