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業務システム開発の仕事は、いわゆる「定常業務」と呼ばれるものとは異なっています。定常業務とは事務処理や製造業務で代表されるような仕事で、基本的に同じ作業を失敗なく忠実に繰り返すことが求められます。

一方、業務システムの開発においては要求されるシステムの内容がお客さまごとに異なるという特徴があります。そして、システム開発を始めたときに必ずしもすべての要求内容が明確になっていません。既知の要求事項だけでなく、未知の要求事項が発生することも含めて開発を進める必要があります。

このような仕事は、一般に「プロジェクト」と呼ばれます。プロジェクトは、基本的に一回限りで前例がほとんどない仕事です。そのため、プロジェクトは定常業務に比べて結果が失敗に終わるリスクが高いと言えます。

ここでは、プロジェクトの成功確率を高めるにはどうしたらよいかについてお話ししていきます。ここで述べる内容を理解することで、システム開発の仕事を円滑にかつビジネス要求に合致させた形で進めるためのエッセンスを学ぶことができます。

システム開発には成功を妨げる要因が多く潜んでいる

システム開発の仕事では、さまざまな制約条件のもとでシステムという成果物を製作することが要求されます。ここでの制約条件として、一般的には「スケジュール」「コスト」「品質」の3つがよく挙げられます。プロジェクトは、これらの制約のコントロール下において進めなければなりません。

仮に何のマネジメントもしないでプロジェクトを進めていった場合、これらの制約はすぐに破られプロジェクトが破綻してしまいます。その原因は、プロジェクトが持つ不確実性によるものです。不確実性が、プロジェクトの成功を妨げる主な原因になります。

システム開発の作業は複雑で、仕事を受発注する契約関連書類にすべてを書ききれません。そのため、プロジェクト開始時にすべての機能要件や作業が見えていることはまずありません。たいていは、プロジェクトを進めていくうちにそれまで隠れていた要件や作業が見えていくことになります。このことを「段階的詳細化」といいます。

段階的詳細化を行う中でそれまで見えていなかったものが見えてくるということは、当初予定していなかった作業がプロジェクトの途中から見えてくるということです。

これによって開発作業が追加になった場合、作業が増えてスケジュールが遅れるかもしれません。または開発コストが増加して、もともとの予算を超過するかもしれません。それに追加作業の技術的要求が厳しく、システムの品質を保てなくなることもあるのです。

そしてさらに、プロジェクトを進める上で4番目の制約条件として「顧客満足」も意識する必要があります。例えば、システム開発工程でスケジュール・コスト・品質の制約をすべて守った、しかし肝心のシステムが使い物にならなかったとしたらどうでしょうか。

その場合は、プロジェクトの成果物が顧客満足を得られなかったということでそのプロジェクトは失敗と見なされます。このように、プロジェクトには成功を妨げる要因が数多く潜んでいるため、適切なマネジメントのもとにプロジェクトを進めていく必要があります。

関係者間のコミュニケーション促進が重要になる

それでは、マネジメントによってプロジェクト成功の確率を高めるにはどのようにしたら良いでしょうか。これについては、プロジェクトマネジメントの手法が確立されています。プロジェクトマネジメントは、システム開発に携わるユーザー側/システム開発会社側のすべての人が知っておくべきスキルであると言えます。

プロジェクトマネジメントのエッセンスを一つお伝えするならば、プロジェクトマネージャーがプロジェクトの関係者間の調和を取りコミュニケーションを促進することです。

関係者のコミュニケーションが良いプロジェクトは、信頼関係が構築され成功確率が高いです。その結果として、完成したシステムが顧客満足を得られる可能性も大きくなります。

一方、コミュニケーションが悪いプロジェクトについてはマネージャーが積極的にコミュニケーション促進に努めなければなりません。もしコミュニケーションが悪いのを仕方ないと思って放置していると、関係者の信頼関係が作られていきません。

その状態で、プロジェクトに何か問題が起きたとしましょう。すると、本当は話し合いで解決できるような些細な問題であっても反射的に大きく騒ぎ立てる人が出てきます。その結果、プロジェクトがぎくしゃくして円滑な進行が妨げられてしまいうまく立ち行かなくなることがたいへん多いのです。

すなわち、プロジェクトマネージャーが日頃からコミュニケーションの時間を確保して関係者の調和を取ることが、プロジェクトの成功確率を上げることにつながるのです。

このように、システム開発の仕事はプロジェクトと呼ばれるもので適切なマネジメント手法を用いる必要があります。プロジェクトのマネジメントにおいては、関係者の調和を取ることが重要です。

もしあなたがプロジェクトマネジメントを行うならば、関係者のコミュニケーション促進に注力するようにしましょう。それによって、プロジェクトの成功確率がぐっと高まるはずですので覚えておいてください。