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仕事でシステムを使っていると、日々のデータがシステムの内部に蓄積されていきます。増え続けるデータは、不慮の事故などのさまざまな理由により消失するリスクをはらんでいます。そのため、データのバックアップを毎日取ることはとても重要です。

しかしデータのバックアップは、システム管理者にとって悩みの種になることが多いです。「バックアップを任されたけれども、どうやったら良いかわからない」「バックアップのスクリプト(簡単なプログラム)を組んだけれども、うまく動かない」「今のバックアップがいざというとき正しく戻せるのか不安だ」など、いろいろな声が聞こえてきそうです。

ここでは、データのバックアップを失敗なく行うためのポイントについてお話ししていきます。ここで述べる方法を理解することにより、システムで行う日々のデータバックアップに関する適切な設計と運用が行えるようになります。

小さめのデータは、アーカイブして大きなファイルにまとめる

バックアップの対象となるデータの種別は、「文書」「画像」「動画」「データベース」…といろいろなものがあります。これらは、一つ一つのファイルサイズが大きく異なります。

・文書・画像は数十KBから、数十MB程度

・動画は数十MBから、数GB

・データベースは、数GB以上

文書・画像・動画のようにサイズが小~中位のファイルが数多くある場合、複数のファイルを1つのファイルにまとめる「アーカイブ」を行うべきです。この場合、アーカイブをしないでフォルダ構成を保ったままバックアップを行うよりも、何倍も速くバックアップを進められます。

日々のバックアップ量をなるべく小さく抑える

日々のバックアップ量は、なるべく小さくしてください。その方が、バックアップ失敗のリスクが低くなります。

データ全体で数百GBに達する場合でも、日々の発生量はもっと小さいかもしれません。その場合、毎日数百GBの「フルバックアップ(全体をバックアップすること)」を取るのではなく、「差分バックアップ(フルからの差分のみをバックアップすること)」を組み合わせるようにしましょう。

例えば、一週間に一度のフルバックアップに加えて、一日一度の差分バックアップを行うようにします。

エラー処理を組み込む

バックアップの処理は、比較的重いものです。そして、保存先のハードディスクやテープドライブ(磁気テープを使った外部記憶装置)に対して、大量のデータを長時間に渡って書き込む処理が行われます。テープドライブの場合、オートチェンジャー(複数のテープをドライブに入れ替える装置)による自動テープ交換が行われるかもしれません。

このような状況では、書き込み途中のエラーが不定期に起こります。この不定期に起こるエラーが、バックアップ失敗の原因になります。エラーが起きた場合に、あとでその現象を追えるようにエラー処理を組み込むようにしましょう。具体的には、ログ(変更履歴などの記録データ)にエラー内容を記録したりメール通報を設定したりします。

そうすることで、バックアップがうまく行っていないときに現象を正確に把握することができます。

定期的にバックアップを確認する

データのバックアップを毎日行っている施設は多いと思われます。しかし、バックアップが毎日正しく取れているかを確認している施設はどれだけあるでしょうか。

バックアップの確認では、少なくとも「バックアップが正しく作成されているか」「バックアップソフトウェアのログを参照してエラーが出ていないか」をチェックしなければなりません。

バックアップの担当者が、バックアップ処理の結果を見ずに「バックアップサーバーの画面を見るだけ」だったり「バックアップテープを交換するだけ」だったりすると問題です。

バックアップの動作確認は、毎日行うのが理想です。しかし、極端に信頼性の低いバックアップでない限り毎日バックアップの確認は必要ないかもしれません。それでも、一週間に一度は行った方が良いでしょう。

またこのとき、バックアップの終了時刻が実施ごとに大きくばらついていないかを確認してください。もし、データ量が大きく変わっていないのに終了時刻が何時間も変わっている場合、何かバックアップ処理が異常動作をしている可能性が考えられます。

このように、システムにおけるデータバックアップにはいくつかのポイントと運用における注意点があります。バックアップの確認は、システム構築後数年間に渡る保守期間の中でも重要度の高い作業の一つになります。そのため、運用のポイントを確実に押さえるようにしましょう。