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情報システムを使う場合、通常はパソコンの中で動くソフトウェア(プログラム)を使います。そのため、情報システム導入の際にはパソコンを調達する必要があります。

システムの規模によっては、用意するべきパソコンの台数が数十台以上になることはよくあります。このとき、「数十台のパソコンを購入したけれども、後で使用するシステムに合わなかった」となると大変なことになります。

しかし現在では、パソコンの種類が大変多くて「どれを選択するのがよいかわからない」こともあると思います。そのようなとき、パソコンの機種を正しく選定する方法を知っておくと便利です。

ここでは、種類の多いパソコンの中から構築するシステムに適した機種を選定するポイントについてお話しします。ここで述べる内容を理解することにより、あなたの構築するシステムに合ったパソコンを選定し、コスト対パフォーマンスの良いシステムを作り上げることができるようになります。

パソコンの型式と筐体

たいていのメーカー製パソコンには、「個人用途向け」と「ビジネス用途向け」の製品ラインナップがあります。個人利用ならともかく、パソコンを商用利用する場合には迷わずビジネス用途向けの機種を選択してください

ビジネス用途向けのパソコンは、電源や冷却ファンなどの部品に長寿命なものが用いられていたり、ハードウェア(機械本体)の保守期間が長く設定されていたりします。個人用途向けよりも多少高価になるかもしれませんが、ハードウェア故障に対してより強い対策が打たれているビジネス用途のパソコンの方が、システムでの利用には有利です。

筐体(きょうたい:外側を構成する箱)については、大きく分けてデスクトップ型、ノート型、タブレット型があります。基本的に、一般用途にはデスクトップ型を使います。また、設置場所が狭かったり、パソコンを移動して使うこともあったりする場合はノート型を使います。一方、移動専用で使う場合、タブレット型も選択の候補となります。

ただしノート型やタブレット型は、接続できる周辺機器の数の制限が強いです。そのため、ほかに選択肢がないときに限り使うのが良いと思います。

デスクトップ型は、さらに筐体の大きさによりタワー型、スモールフォームファクター型(メーカーによって呼び名が異なります)に分かれます。

CPUスペックや特殊なグラフィックボード(画像表示を命令する機械)を使うなど、性能重視の用途にはタワー型が有利です。また、タワー型は筐体サイズが大きいため、大きいグラフィックボードを複数枚使用してマルチモニター環境を構築できます。さらに、ケースの中の冷却性能も優れています。

しかし、それほどの高性能が必要とされず中間的なスペックで良い場合には、スモールフォームファクター型を使います。スモールフォームファクター型は、小型で場所をあまり取らないため、設置スペースの制約を受けにくい特徴があります。

ただし筐体が小型であるため、大型グラフィックボードなどの拡張部品が付けられなかったり、USBポート数が少なかったりするなどの欠点もあります。そのため、カタログスペックをよく確認した上で、「どちらの筐体にするべきか」を判断してください。

メーカー・スペック・付属ソフトウェア

メーカーは、国内外問わず日本法人がある会社ならばどこでもあまり問題ないと思います。ただし、保守としてオンサイト保守(現地訪問型の修理サービス)を選択する場合は、メーカーの保守サービス拠点が設置場所の近くにある方が有利です。これにより、保守要請のコールを行ってからの対応時間が早くなります。

スペックについては、最近のパソコンは性能が良くなっていますのでそれほどこだわる必要はありません。しかし、ストレスなく業務で使うためにメモリは潤沢に積みます。最近では8GB以上が主流になっています。

OS(システム全体を管理するプログラム)は、ソフトウェアが対応していれば64bit版を使う方が有利です。64bit版は、32bit版よりも使えるメモリ量が多く、デバイスドライバー(周辺機器をパソコンで使うためのプログラム)が安定しているのが特徴です。

補助記憶装置については、1TB以上の大容量の記憶容量を必要としなければHDD(ハードディスク)ではなくSSDを使う方が有利です。SSDはスピードや耐衝撃性に優れています。しかし、まだHDDに比べて高価です。

光学ドライブ装置(CD/DVD/Blu-rayドライブ)は、システムのインストール(組み込み作業)以外に使う機会が少なくなりました。実際のところ、光学ドライブをなしにして必要なときだけ外付けの光学ドライブを使う場合でも、大抵の用は足りると思われます。

付属ソフトウェアは、少ないほど都合が良いです。メーカー製のパソコンの場合、無料体験版のソフトウェアが付属してくることが多いですが、実際のところほとんど使いません。

そればかりか、付属ソフトウェアとシステムで開発したソフトウェアを同時に動かした場合、お互いに干渉してソフトウェアの動作が不安定になることもあります。そのため、付属ソフトウェアは少ない方が良いのです。

保守サービス

保守には、大きく分けて「オンサイト」と「センドバック」があります。オンサイトは、トラブルコールにもとづき、メーカーのサービスマンが現場に来て修理を行ってくれます。パソコンが故障してから復旧するまでの時間が短いため、ビジネス用途では標準的な保守サービスと言えるでしょう。

それに対して、センドバックはメーカーに故障品を送付し、修理完了後再び送り返してもらう方式です。そのためセンドバックでは、パソコンが故障したときに、修理に出してから戻ってくるまでそのパソコンが使えなくなります。そのような制限事項が問題なければ、センドバック保守を選択しても構いません。

今回述べたように、情報システムで使用するパソコンの選定には、いくつかのポイントがあります。パソコンの選定を間違えると、機能不足やコストアップを招き、システムへの信頼も微妙な状態になってしまいます。そうならないためにも、構築するシステムや用途に応じた正しいパソコン選びを行うことが重要になります。