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情報システムの開発においては、自社の要員だけでは人手が不足するとき、外部の協力会社のスタッフ(以下、サポートスタッフとします)を呼び入れることがあります。サポートスタッフと良い付き合いをしていくことは、とても重要です。

例えば、あなたが自社の情報システム開発を担当しているとします。その場合、あなたがサポートスタッフおよび協力会社とうまく付き合っていくことができれば、あなたの仕事はスムーズに進みます。また、あなたのサポート・スタッフに対するマネジメントスキルを向上させるメリットがあります。

そればかりか、サポートスタッフの人のスキルや経験も向上します。そうなれば、あなたは協力会社からも人間的に信頼を得られることになります。そのような協力会社は、あなたがほかのプロジェクトを担当することになっても、力を貸してくれるでしょう。

サポートスタッフも協力会社も、クライアントであるあなたの人間性を見ていると思って間違いはありません。

ここでは、情報システムの開発にあたり、失敗しないサポートスタッフとの付き合い方についてお話していきます。

サポートスタッフに気持ちよく働いてもらうには

自社スタッフとサポートスタッフの違いは、その人の所属が、自社内か、外部の会社かの違いになります。

したがって、サポートスタッフは、あなたの開発プロジェクトに所属するのと同時に、サポートスタッフの会社にも所属することになります。そこでは、あなたの所属会社とは異なるルールや論理にしたがって動くことになります。

そのため、サポートスタッフをあなたの思い通りに動かすには、あなたの所属会社のルールや論理を使わなくてもできるものにしなければなりません。

そのためにできることは2点あります。1つは、依頼する作業について、作業手順をマニュアル化することです。

マニュアルには、作業範囲の説明から始まり、プロジェクトにおける人の体制、役割、プロジェクトのスケジュール、期待する成果物、作業報告の内容と報告の頻度、不慮の事態が起こった場合のバックアップ体制といったように、サポートスタッフの仕事全般を記述します。

詳細な作業項目、および誰がサポートスタッフの仕事のチェックを行うかについても、マニュアルに記述するべきです。

このように、第三者が見て確認できるマニュアルを作ることにより、あなたがサポートスタッフの働きをコントロールし、仕事ぶりを評価することができるようになります。

もう1つは、あなたがサポートスタッフをマンツーマンで教育し、サポートスタッフとの間で人間的な信頼関係を構築することです。ただし、これには時間がかかります。最低、3~6か月はかかるでしょう。

人間同士ですので相性の問題もあり、人間関係の構築がプロジェクト内で思うように進まないこともあります。

さらには、時間をかけて教育したサポートスタッフが、いつか交代になるリスクがあります。そのようになったら、交代で来たサポートスタッフと、また最初から信頼関係構築を始めなければならないといった問題もあります。これは、非常に効率の悪い方法です。

作業マニュアルの伝授、またはマンツーマンでの教育と信頼関係構築のいずれかの方法により、サポートスタッフがあなたの思い通りに動いてくれるようになったら、あとはサポートスタッフに仕事を任せ、自発的に動いてもらうようにします。

協力会社の能力の判断は難しい

情報システム開発において、サポートスタッフに期待する能力は、協力会社の組織の力よりも、所属する個人の能力への依存部分が大きいと思われます。なぜなら、開発に必要なITスキル、顧客との折衝能力、コミュニケーション能力は、個人によって大きな差があるからです。個人の能力と協力会社の組織の力には、明確な関係がありません。

したがって、協力会社のスタッフ数人と仕事をしたくらいの経験だけで、「この協力会社は良い」「この協力会社はだめだ」という判断を行うことは危険であると考えてください。あくまでも、所属会社ではなく個人個人を評価するべきです。

ただし、協力会社の中には人材が豊富で、あるスタッフが病気や退職などでプロジェクトを離脱しても、すぐに他の似たような能力を持つ交代スタッフを割り当てる余力のある会社もあります。または、長年一緒にやってきて、ともに成長し会社同士の信頼関係が構築できている会社もあります。

そのような協力会社は、いわばあなたの会社の資産でもありますから、大切にお付き合いしてください。別の会社とお付き合いを始めたからといって、将来同じような資産を持てる保証はありません。

サポートスタッフに仕事を依頼するということ

サポートスタッフに仕事を依頼する場合、契約形態にもよりますが、基本的には、サポートスタッフの作業や結果については、サポートスタッフ自身で責任を持ってもらわなければなりません。しかし、だからといって仕事を依頼したあと、丸投げのまま放っておくのはいけません。

そこであなたは、以下のことを実施し、スタッフのモチベーションや成果物に気を配らなくてはなりません。

  • 定期的に、なるべくこまめに進捗を報告してもらうこと。
  • 成果物をチェックすること。
  • プロジェクトへの関わりについては、自分が主体になり、サポートスタッフは従属であることを示すこと。

サポートスタッフの中には、あなたよりも優秀で経験豊富な、その分野のベテランの人もいるかもしれません。そういう優秀なスタッフは、あなたがいちいち細かい指示をしなくても計算して動いてくれるので、とても助かるのです。

しかしそのような場合でも、自分が主体であり、サポートスタッフは従属の関係であると認識してください

優秀なサポートスタッフの仕事であっても、その結果の責任は、主人であるあなたのところにきます。また、サポートスタッフがいなくなった後で発生した仕事は、あなたが引き継いで対応することになります。

このように、サポートスタッフと仕事を行う場合、自社スタッフとは違った付き合いの仕方があります。サポートスタッフと良い付き合いをして、信頼関係を築いていくことにより、より良い仕事ができるようになります。