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システム開発に必要な金額は、システム開発会社に見積もってもらうことができます。しかし、その見積もり金額が初めの予算よりも大幅に高額だったとします。そのような場合に、あなたはどうしたら良いでしょうか?

一度出された見積もり金額を大幅に下げさせる(見直しさせる)ことは、通常できません。そのようなことをさせなくてもすむように、開発企画段階から正しいやり方で見積もりを依頼することが必要です。

ここでは、システムの見積もり金額を予算内に収めるために開発企画段階でやっておくべきことについてお話しします。ここで述べる内容を理解することにより、システム開発費用を予算内に収めるやり方が身に付きます。それによって、システム開発工程全般をよりスムーズに進めることができます。

システム開発のコンセプトを明確にする

システムの開発企画では、開発のコンセプトをはっきりさせることが重要です。最初にコンセプトがはっきりしていない場合、開発がスタートしてさまざまな人が関わるようになったとき、その開発作業は迷走する可能性がとても高くなります。

できれば、開発のコンセプトは文書に残しておき、プロジェクトの関係者がいつでもすぐに思い出せるようにしておきましょう。

たとえば、会社の業務で使う帳票作成システムの開発を行うとします。

システム開発の発案者が、当初暗黙のコンセプトとして「今回のシステム開発では、自社の従来の帳票作成業務を安価にシステム化することを目的とする。それによって、自社業務のコスト削減を図る」と考えたとします。

そうしてシステム開発の企画が進行し、見積もりのためのシステムの要求機能を会議で話し合うことになったとします。

会議が進むなか、話を聞いていたある部門責任者の人が「せっかくお金をかけてシステムを開発するのだから、自社向けに特化せず他社の帳票作成業務でも使えるように汎用化すべきだ。そして、完成したら自社のソフトウェア製品として売り出したらいい」と言い出したとします。

このようなとき、最初の発案者のコンセプトが関係者に浸透していないと、その部門責任者の意見が会議での決定事項となるかもしれません。そうなった場合、システムの仕様は汎用化に対応する必要性が出てくるため、システムの仕様が膨らみます。

その結果、システムの見積もり金額が当初の予算を大幅にオーバーしたものになってしまうのです。

初めにコンセプトをはっきりさせておくことは、会議などで声の大きい人の意見が出たときにその意見が妥当かどうかを判断するためにとても重要です。コンセプトがぶれることは、そのまま見積もり費用アップにつながることをよく理解する必要があります

コンセプトには、「開発費用に関する概念」を含めておくと良いです。ここでいう「開発費用に関する概念」とは、たとえば「なるべく余計な費用をかけずに作る」とか「高機能で汎用的に作る」といったようなことです。

スコープを明確にする

予算オーダーを防ぐためには、スコープを明確にすることも重要になります。スコープとは、「システム化を行う範囲」を表す用語です。スコープが明確になっていないと、そのシステムがどの範囲の作業を対象にするのかわからなくなります。その結果、見積もり金額が大きく変わる原因になります。

たとえば、あなたが自社の業務システム開発を見積もり依頼したとします。システム開発会社では、一般的な業務システムのソフトウェア製品を持っていたため、あなたはその製品を使う前提で予算を立てました。

ところがそのソフトウェア製品の機能は、自社の業務内容に対して一部不足がありました。その場合、システム開発会社はソフトウェア製品の機能カスタマイズ(要求に合わせて改修すること)の費用を追加してきます。機能カスタマイズ費用は、一般にソフトウェア製品の本体価格から想像するよりもかなり高額になります。

そうなると、やはりトータルのシステム開発の見積もりは高額になる可能性が高いのです。

このような場合にシステム開発費用を予算内に収めるためには、機能カスタマイズの優先順位を付けてカスタマイズする内容をしぼったり、同じ機能をより安価な別の手法で実現できないか検討したりする必要が出てきます。

ソフトウェア製品やその開発技術に詳しいシステム開発会社であれば、あなたが相談を持ちかけることでより安価に実現できる代替案を提案してくれるかもしれません。このように考えると、安いソフトウェア製品を使う場合にはその分導入までの作業がかえって増えるかもしれません。

これまで述べてきたように、開発企画の段階でコンセプトやスコープを決める作業は、以後の開発作業を進めるうえでとても重要になります。コンセプトやスコープを明確にすることにより、システム開発予算を正確に立てられるようになり、見積もり金額も適正な範囲に収めることができます。