-shared-img-thumb-YUKA160322290I9A4691_TP_V

情報システムは、一度導入したらいったいどのくらいの期間使えるものかご存じでしょうか。一般的に、システムの耐用年数は5年から7年が目安とされています

導入から5年が経過した時点で、システムがすぐさま使えなくなってしまうというわけではありませんが、それ以上使い続けることにだんだんと不都合が出てくるのです。耐用年数を超えたシステムは、リプレースを検討することになります。

ここでは、システムの耐用年数がどのくらいかになるかについて、およびそれがどのようにして決まるかについてお話します。ここで述べる内容を理解することにより、システムの導入からリプレースまでのライフサイクルについて学ぶことができます。また、そこで得た知識を活用することでシステムへの投資予算の計画立案などに役立てることができます。

コンピューター機器の保守可能期間は、5年程度になる

システムの導入後、仮に機器の故障が全くなかった場合を考えてみます。その場合、ユーザーはそのシステムをずっと使い続けることができます。しかし実際には、ある期間が過ぎるとサーバー/パソコン/モニターなどの機器(ハードウェア)が故障したり性能が低下したりします。

例えば、パソコンのハードディスクが故障したとしましょう。その場合、同じ形式のハードディスクに交換してソフトウェアを再インストールすれば元通りに復旧させることができます。他にも、光学ドライブ(CD/DVD/ブルーレイなどのディスクを読み書きする装置)のように汎用的な部品ならば故障しても交換がしやすいです。

しかし、パソコンの中枢部となる「マザーボード」(パソコンの頭脳部分となるCPUやメモリーが搭載された基板)が故障した場合そうはいきません。メーカー製パソコンの場合、マザーボードはPCの世代ごとに変わってきます。

そのため、古い機種のマザーボードはメーカーに修理用部品の在庫がないかもしれません。そのような場合、修理用部品がないためそのパソコンは修理できないことになります。

たいていのメーカーは、保守用部品の保存期間を製造終了後5年程度に定めています。例えば古いサーバーがあったとして、保守用部品の保存期間が過ぎていたとします。そのような状態で、中の部品が壊れたとしたらメーカーに修理を依頼しても修理を断られる可能性があります。

サーバーは、システムの中の重要なデータを保存しています。そのサーバーが万一故障した場合に修理ができないとわかっているとしたら、そのシステムは恐くてとても使えないということになります。

このようなことにならないように、システム管理者はシステムの耐用年数を意識することが大切になります。保守期間を過ぎたサーバーやパソコンは、次世代のハードウェアにリプレースしていきましょう。

リプレースを行う場合、旧システムから新システムへのデータ移行の作業もあります。そのため、データ移行にかかる期間についてもリプレース計画に含めておく必要があります。

ハードウェアの世代交代によって、ソフトウェアも変わる

システム管理者の立場では、システムのハードウェアが変わっても中で動く業務アプリなどのソフトウェアはそのまま何も変わらずに動いてほしいと思うのが普通です。

しかし、現実はなかなかそうも行きません。ハードウェアが世代交代で新しくなると、そのハードウェアで動作がサポートされるWindows やLinux などのOS(基本ソフト)のバージョンが変わります。

OSのバージョンが変わった場合、そのOSで従来のソフトウェアが正しく動かないということがよくあります。そのような場合、ソフトウェアの改修が必要になってきます。すなわち、ハードウェアの世代交代によってソフトウェアも変えていかなければならない場合が多いのです。

一方、人によっては「OSのバージョンを変えなくてすむように、古いOSを新しいハードウェアで動かせばよいのではないか」と思うかもしれません。しかし、古いOSは新しいハードウェアに対応していなかったり、性能が思うように出なかったりする場合が多いです。そのため、やはりうまく行かないものと考えた方がよいでしょう。

古いソフトウェアは、セキュリティが脆弱になっている

古いソフトウェアを使い続けることには、もう一つこれまで述べたのとは別のリスクもあります。それは、セキュリティの問題です。システムのセキュリティ上の弱点(セキュリティホール)を突く攻撃手段は、年々進化し多様化しています。そのため、システムで古いOSやソフトウェアを使い続けると、そのセキュリティーホールを攻撃される危険性が高くなります

システムがインターネットに接続されていれば、セキュリティホールは緊迫した問題です。またインターネットに接続されていなくても、USBメモリーなどの外部デバイスから攻撃を受ける可能性があります。そのため、セキュリティ対策は同様に行わなければなりません。

こうした観点からも、「耐用年数を超えたシステムを使い続けることは、リスクが大きくメリットが少ない」ことがおわかりいただけるかと思います。

ここまで述べたように、システムには耐用年数があります。耐用年数を超えたシステムを使い続けることは、機器の故障で修理不能になったりセキュリティ面での攻撃を受けたりするなど、様々なリスクにさらされることになります。ぜひ、システムのライフサイクルを意識して適切なタイミングでリプレースする計画を立てるようにしてください。