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システムの「予防保守」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「予防保守」とは、システムのメンテナンス作業において、「将来起きる恐れのあるトラブルを、未然に防ぐための予防策を実施する」ことです。トラブルが起こってからそれを直すのではなく、トラブルを起こさないように予防線を張る作業を行うのです。

業務システムでトラブルが起こると、業務が停止してユーザーが混乱します。また、あとでデータのリカバリーやその確認作業が発生するため、日常業務へ与えるインパクトが大きくなります。そのため、トラブルはなるべく未然に防ぐに越したことはありません

ここでは、システムの予防保守でどのような作業を行うのかについてお話ししていきます。

ここで述べる内容を理解することにより、一般的なシステム保守メニューを改善していくことができます。そして、顧客満足度の高い保守メニューを作ることができるようになります。そうすることによって、システム保守作業に関する理解を深めることができます。

システム保守の作業に予防保守を組み込む

一般的なシステム保守メニューは、システムに異常が起きていないどうかを確認する「点検」、およびシステムに異常が発生したときに、システムを通常通りに復旧する「トラブル対応」からなります。そこには、「将来起こる恐れのあるトラブルを未然に防ぐために行うシステムの改善作業」が含まれていません。

そこで、例えば保守作業の中で「点検時に判明したデータや事実を分析して、システム構築当初からのずれを見出した」とします。構築当初からのずれとは、例えば「予想よりもディスクの残容量が減っている」「データ増加に伴い、データベースの検索パフォーマンスが急激に悪化している(ただしユーザーはこのことに気づいていない)」というようなものです。

このような「構築当初からのずれを見出す」ことが、予防保守の第一歩です。そして、そのずれを修正したり改善したりする作業が、予防保守です。予防保守のサービスを行うには、システムの構築を含めたスキルが必要になってきます。しかし、そのようなサービスができることでシステム保守メニューにおける他社との差別化につながります。

予防保守を実施する場合、保守担当者からシステム管理者に連絡し、改善作業の内容の説明を行います。最終的にはシステム管理者の判断で、予防保守の作業を実施します。予防保守とはいえ、稼働中のシステムに手を加える作業の認否は、システム管理者の判断になります

このような予防保守を行うことで、システムのトラブルが減ります。それによって、ユーザーの混乱も少なくなりシステム管理者の負担も減ります。そのため、予防保守は積極的に行うべきです。さらに、予防保守によってユーザーがシステムを利用することに安心感を持つことができるため、結果的に顧客満足度が高まるというメリットもあります。

予防保守のための具体的な点検項目

予防保守を意識した上で、一般的なシステムの点検におけるチェック項目を挙げるとすると、次のようなものが考えられます。

  • システムリソース(CPU/メモリ/ディスク)の使用状況で、悪化しているものがないか
  • 常駐プロセスのメモリーリーク(プロセスが使うメモリーが延々と増え続けること)がないか
  • データベースの検索/新規登録/更新のパフォーマンスが劣化していないか
  • データのバックアップがエラーなく正しく行われているか

これらは、システムを長時間使い続けて初めて分析ができるようになる点検項目です。そのため、これらの点検項目は予防保守を実施するかどうか以前にやっておくべきものです。ちなみに、データベースのパフォーマンス劣化やデータバックアップ時のエラーは、長時間の稼働に伴って高い確率で発生するものです。

ここまで述べたように、システムの予防保守を行うには保守サービスにおける点検項目を見直していくことが必要です。そして、点検結果からシステムの構築当初からのずれを見出し、それを修正または改善するようにします。

予防保守を有効に実施することで、ユーザーに対してシステムを使うことへの安心感を与えることができるとともに、顧客満足度の向上にもつながります。