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情報システムを購入すると、通常は「システム本体」とともに「保守サービス」が付いてきます。この保守サービスとは、一体どのような商品なのでしょうか。保守サービスを受けることによって、購入者にどんなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、情報システムに付属する一般的な保守サービスの内容についてお話していきます。さらに、保守サービスが必要な理由についてもお話していきます。ここで述べる内容を理解することによって、システムを使っていく間に発生するさまざまな問題や課題に正しく対処できるようになります。

また保守サービスに関する知識は、新たに保守サービス契約の更新を行うときにも役に立ちます。

保守サービスとは

システム開発の作業は、一般的にシステムの稼働とともに終了します。その時点で、システムの所有権は、システム開発会社から購入者に移ります。これを「システムの引き渡し」といいます。引き渡しが行われた後のシステムの運用保守は、原則として購入者の責任で行われることになります

引き渡しの概念は、システムに限らず日用品や車、住宅、金融商品などのあらゆるものに共通するものです。しかし、システムの場合には他と事情が異なる点があります。それは、「システムの細かい動作を理解するには専門知識が必要で、一般の購入者はまずそのような専門知識を持っていない」ということです。

そのため、システムを使っていくうちに何か問題が起きたり「このようなことができないか」といった質問が出たりしたときに、一般の購入者だけでは対応が難しいといえます。システムの保守サービスとは、購入者が行うことになるシステムの運用保守の一部を、保守サービス会社が代行するものです。

保守サービスは、通常1年間などの有期的な契約です。契約期間が終了した後、引き続き保守サービスを受けるには契約を更新する必要があります。保守サービスの流れをより細かく分類すると、次の3つに分けられます。

  • 障害や質問などの発生部分の切り分け
  • ハードウェア保守
  • システム保守

それでは、この3つについてより詳しく見ていきましょう。

障害や質問などの発生部分の切り分け

システムに障害が起きたり、使っていくうちに疑問点が生じたりしたとき、その障害や疑問点がシステムのどの部分で発生しているのかを切り分ける必要があります。例えば、あなたが朝にパソコンの電源を入れたときに、正常に画面が映らなかったとします。

このとき、画面が映らないという症状だけでは、障害箇所がどこにあるのか特定できません。パソコン本体のメインボード(パソコンの中核部分)が壊れたのか、ハードディスクなのか、メモリなのか、またはパソコンモニターなのか、専門知識を持たない一般の人には障害箇所がわかりません。

しかし、障害箇所がわからなければ障害への対応を進めることができません。そのため、発生箇所の切り分けを行うことが必要です。保守サービス担当が行う切り分けは、症状の再現性確認や調査などによって行います。切り分けには、個人の経験や勘が生きる場合もあります。

発生箇所の切り分けの結果、原因が「ハードウェア」なのか「システム」なのかによって以下の対応を行います。

ハードウェア保守

ハードウェア(サーバーやパソコンなどの機器)は、稼働後の経年劣化に伴い障害を起こす可能性が高まります。原因がハードウェアと切り分けられた場合、そのハードウェアの修理を製造ベンダーに依頼します。

製造ベンダーによる修理可能な期間があります。サーバーなどのハードウェアは、購入後5年間以内であれば保守の対象になります。5年間以上経過したハードウェアは、製造ベンダーによる修理が不可能になる場合があります。そのようなハードウェアは、「システムリプレース」(機器の更新)の対象になります。

システムによっては、プリンターのインクやトナー、テープ装置のテープメディアなどの消耗品を使う場合があります。消耗品の交換が保守内容に含まれているかどうかは、契約によって異なります。

システム保守

発生原因がシステム(ソフトウェアのバグや仕様に関するもの)にあった場合、システム保守を受けることになります。通常は、保守サービス会社がシステムの開発者に症状や質問事項を連絡し、ソフトウェアのバグなのか仕様通りの動作なのかを判断します。

バグであれば、ソフトウェアの修正を行います。このときシステム保守契約がない場合、ソフトウェアのバグ修正は有料になりますので注意が必要です。

また動作が仕様通りであっても、「今の動作では使いにくいのでソフトウェア修正により改善してほしい」という場合もあります。その場合は、開発者を交えての協議となります。保守サービスの範囲内で無償で修正してくれることもあれば、改造量が大きいため有償対応と判断されることもあります。

システムのトラブルは、どんなに対策を施したとしても一定の確率で発生するものです。またシステムを使っていく上で、動作に関する不明点も発生してくるものです。

そのようなときに、システム保守サービスが役に立ちます。保守サービスは、システムを使う上での「保険」と考えておけば良いでしょう。システムを使いこなしていけばいくほど、保守サービスが重要になってきます。

ここで述べた保守サービスの内容を理解しておくことにより、システムトラブルや不明点が発生したときに正しい対処ができるようになります。