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情報システムの導入は、会社の業務効率化や経費削減に有効と言われます。それでは、情報システム導入によって業務の何が変わり、どのような効果があるのでしょうか?

ここでは、架空のクリニックに画像ファイルの保管システムを導入したという前提で、「職員のどんな作業が減らせるのか」「業務がどのように効率化されるのか」について説明します。

用紙の保管や持ち出しは、煩雑な作業になる

クリニックなどの医療機関では、心電図などの検査結果の図面や患者の持参する検査同意書、診療情報提供書などの紙の印刷物を扱います。これらの用紙は、長期間(最低5年間など)保管する必要があります。

しかも、これらの用紙は患者数や検査数が増えていくにしたがって、全体で数百枚から数千枚といった数にまで増加します。そうなると、保管場所が足りなくなったり必要なときにすぐに探し出せなくなったりします。

それどころか、患者ごとの保管場所を間違えてしまい用紙が行方不明になってしまうこともあります。そのようなことが起きるとほとんどのケースで、目的の用紙を見つけるためにすべての保管書類を引っ張り出して探さなければなりません。これは、気の遠くなるような大変な作業です。

システム化により、保管・検索・参照とも簡単になる

このような場合、用紙保管をシステム化するのが有効です。用紙は、「スキャナー」という機器で取り込みを行うことで、電子化できます。スキャナーは、いわばコピー機のようなものです。ただしコピー機とは違って、読み取った内容を紙に印刷するのではなく、読み取った内容をPDFなどの画像ファイルに保存します

スキャナーによって作成した画像ファイルは、「患者番号」「氏名」「用紙の種別」「検査日付」「登録日付」などの情報とともにパソコンなどのコンピューターに保存します。

この場合、患者番号や氏名、検査日付、登録日付といった情報は、手入力だけだと間違いが起きやすいです。

そのため、例えば患者に発行する診察券が磁気カードであれば、「磁気カードリーダー」を使って患者番号や氏名をコンピューターに入力することができます。こうして手入力を減らすことにより、入力間違いを減らせます。

診察券が紙であっても大丈夫です。その場合には、「バーコードリーダー」を使う方法があります。診察券に患者番号のバーコードを貼り付けておくことにより、バーコードリーダーを使って患者番号を読み取ることができます。

バーコードの誤読率(文字の読み取りを間違える確率)は、100万分の1以下と言われています。したがって、バーコードを使ったときの読み取りエラーの心配はまずありません。

こうして用紙保管を電子化しておくことにより、あとで探し出すのがとても楽になります。患者番号や患者氏名、検査日付などいろいろな条件を付けて検索することができます。

さらに、登録日付の範囲で検索を行えば、その期間でシステムを利用した検査件数といった情報を簡単に得られます。それによって、月ごとの登録件数の増減の傾向を分析できます。そこで得られた分析結果は、さらに患者を集めるなどといった経営につながる情報に役立てることができます。

用紙のままで扱っていては、なかなかこういった分析まで行うことはできません。

画像ファイルの参照は、パソコンでその画像ファイルを開くだけですので簡単です。いちいち用紙を倉庫まで探しに行ったり、人に頼んで持ってきてもらったりするといった手間がありません。複数の人が、別のパソコンで同じ画像ファイルを同時に開くこともできます。

また、ある患者の心電図画像を参照していて、その前回、前々回、…の心電図画像を合わせて見たいという場合にもすぐ対応できます。

用紙保管については、他の用途であってもシステム化が可能です。会社での経費や出張旅費の精算書には領収書を添付しますが、その精算書や領収書の保管をシステム化することもよく行われています。すなわち、それぞれの業務に応じたシステム導入が考えられます。

経費削減の効果

このシステム導入に伴う経費削減効果は、次のようになります。

  • 用紙の保管場所が不要になる
  • 用紙保管のとき、保管場所への仕分けが不要になる
  • 用紙を保管場所から探し出す作業にかかる人件費が不要になる

保管場所の地代や扱う用紙の量によって金額は変わりますが、すぐにスタッフ一人か二人分の作業を削減する効果が期待できます。

一方、システム導入を行うにはコンピューターやソフトウェアへの投資が必要です。投資に必要な金額は、システムの規模にもよりますがパソコンと周辺機器で20万円、システム開発で50万円の総額70万円程度からになります。

これらは資産計上すれば1年ごとに減価償却できます。この開発に要した金額を5年間で償却するとすれば、年間15万円程度の投資と考えられます。ここで、経費削減の期待値が投資金額を上回れば情報システム導入による経費削減効果があると判断できます。

このように、情報システムの導入によって業務を効率化できる例は、他にもあります。それらの多くは、コンピューターを利用して人手の介入を減らし、業務をシステマティックに再編成することで業務効率を上げています。

もし、日頃の業務で誰もが間違いやすい作業や時間がかかる作業があったら、情報システム導入により「問題を改善できないか」、「業務の効率化ができないか」について考えてみてはいかがでしょうか。