OMG151018400I9A2429_TP_V-2

情報システムを導入しようとするとき、パソコンインストラクターやシステムエンジニア(SE)がシステムの操作説明を行うことがあります。しかしユーザーにとって、インストラクターやSEの操作説明はとにかくわかりにくいようです。ユーザーがパソコンの初心者の場合、なおさらそういう傾向があります。

ここでは、システム導入時に行われるコンピューターの操作説明がなぜわかりにくいものになりがちなのかについてお話ししていきます。そして、コンピューターの操作説明を要領よく理解するにはどうしたら良いかについてもお話しします。

ここで述べる内容を理解することにより、システムの操作説明を聞くときのコツや効果的な操作説明の仕方について学ぶことができます。

パソコンの操作手順しか知らない人が、パソコンの操作を教えるのは難しい

操作説明を行う説明者が、パソコンをどのように操作したら良いかの操作手順しか知らないとします。そのような説明者から操作方法を教わったとしても、たいていの人はすぐに理解できないでしょう。

なぜなら、「ユーザーがシステムを使ってどのようなことをしたいのか」という使用目的を考えていないからです。パソコンの操作とは、一般に「マウスをここに持って行く」「このボタンをクリックする」「キーボードで文字を入力する」などのように単調な操作の繰り返しです。

システムの操作を教わろうという人にとって、単調な操作説明は聞いていてもすぐに飽きてしまいます。そして、聞いたそばからすぐに忘れてしまいます。操作説明が、試験勉強のような暗記の訓練になってしまいます。これでは、聞き手はとても操作手順を覚えることができないでしょう。

ユーザーがシステムを使う背景や全体像を理解する

それでは、説明者がパソコンの操作手順以外に何を知っているべきかというと「ユーザーがシステムを使う背景や全体像」です。

ユーザーがシステムを使う背景を知ることにより、「パソコンの操作によって、結局のところ何ができるのか」「操作の前に行う準備作業は何か」「操作の後にどのようにその結果を活用できるのか」などの事項を理解することができます。

そして、「説明者がユーザー業務の全体像を把握しておくこと」も大切です。ユーザーは、業務の中で複数のシステムを同時に組み合わせて使うことが多いです。そのようなとき、説明者が説明範囲外のシステムについて何も知らなければ問題です。

説明者が範囲外のシステムの説明までする必要はありませんが、説明するシステムが他システムとどのように連携しているかについては知っておかなければなりません。そして、それらの情報は実際にユーザーがもっとも知りたいところにもなります。

聞き手が、どのような立場の人で何を知りたいのか明確にする

説明者が、どんな聞き手に対しても同じ内容を同じ言い方で説明していることがあります。これでは、聞き手が説明を理解しにくくなります。聞き手となるユーザーは、皆それぞれ異なる知識や業務を持っています。操作説明は、ある程度聞き手に合わせて変えていかなければなりません

もしあなたがユーザーの立場で説明を聞いているとして、説明者の言っていることがピンと来なければ説明者に次のことを伝えてみましょう。

  • 自分はどういう仕事をしていて、なぜこのシステムを使う必要があるのか。
  • 自分がシステムを使う上でどの部分を知りたいのか

説明者が、聞き手のことをよくわかっていないならば、上記の事項を聞き手の人に聞いてみるのも良いでしょう。説明会の前に、説明者が聞き手となる人にアンケートを取るのも良いと思います。

しかし、受け身な感覚の聞き手の中には、操作説明を聞く目的を「全般的に知りたい」「システムのウリとなる機能を知りたい」などのように、漠然とした答えしかしない人もいます。聞き手の答えがこのようなものだと、説明者が聞き手に合った説明をするのは無理だと思います。

システムの操作説明は、「説明者と聞き手の共同作業になる」と考えてください。説明会を主催する人は、このことを念頭において段取りを行うことが必要です。

このように、パソコンの操作説明は得てしてわかりにくいものになりがちです。説明者は、聞き手がわかりやすいようにいつも同じ説明をするのではなく聞き手に合わせた説明を心がけましょう。そして聞き手も、説明会に受け身にならずに説明者に対して自分の立場やシステムに関する知識を伝えてから聞くようにしましょう。

そうすることによって、システムの操作説明の時間が説明者と聞き手の両者にとって実りのある時間になるはずです。