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情報システム構築の仕事は、システムインテグレーション(SI)とも呼ばれます。一般に、SIに従事する人に仕事についてどのように思っているかを聞くと「残業が多い」「コミュニケーションが乏しい」「仕事がきつい」「タコ部屋のような作業室に詰め込んで仕事をしている」という回答が返ってくるようです。

これらの話だけを聞くと、SIの仕事はいわゆる「3K」(暗い、きつい、汚い)そのもののようです。それでは、SIは本当に3K職種なのでしょうか。

ここでは、「3K」と思われがちなSIの仕事の実態についてお話ししていきます。そして、SIが本当に3K職種になるのかどうかについて考えます。

SIの仕事は、なぜ残業が多いのか

SIの仕事は、一般に長時間労働になりがちです。その理由は、「客先に出向いての仕事が多い」「客先でシステムの調整作業を時間外に行うことが多い」「仕事のできる人がいると、その人にますます仕事が集中する」ということが考えられます。以下に、これらの内容を見ていきましょう。

一番目に、SIの作業者は各自の所属する会社内にいるよりも、担当する客先に出向いて仕事をすることが多くなります。例えば、医療系システムエンジニアならば担当する病院などの医療機関に出向いて仕事をします。

したがって、作業者の労働時間は客先のルールが適用されがちになります。その代わりに、所属する会社の「定時」の拘束は緩くなります。一方、客先はシステムとは無関係の「本来の業務」を持っています。当然、システムに関する会議は客先の本業の合間すなわち本業が落ち着く時間帯に行うことになります。例えば、夕方16時から18時といった具合です。

そのため作業者は、日中は社内や他の会社の人とやり取りしたりドキュメントを作成したりします。そして、夕方は客先との会議を行います。このように作業者は、仕事のスケジュールを客先の都合に合わせたものにしなければならないという事情があります。

二番目に、客先でシステムの調整作業を行うときは客先の業務時間外に行うのが普通です。なぜなら、その方が客先に迷惑をかけるリスクが低いからです。

例えば、システムの調整作業において客先のシステムに高い負荷をかける項目があったとします。これが、客先の業務時間内だと大変です。客先の業務に悪影響を及ぼしてしまいます。また、作業者が何かの誤操作をしてそれが引き金となって「客先のシステムを止めてしまう」ようなことがないとも言い切れません。そのため、最悪の場合を想定して客先になるべく迷惑をかけないように配慮した上で、業務時間外に作業を行うのです。

三番目に、仕事ができる人のところには色々な仕事が集中します。SIの作業は、一般に高い専門性が必要とされます。そのため、ある人が作業を開始して作業の途中から他の人が引き継ぐというのは至難の技です。したがって、仕事ができる人のところに仕事が集中した結果としてその人の労働時間が長くなってしまいます。

これらの理由により、SIの仕事は必然的に一日の作業量が多くなりがちです。その結果、残業が多くなってしまうのです。

SIの仕事は、なぜ暗く汚いと思われるのか

先に述べたように、SIの仕事は客先に出向いて行うことが多くなります。朝から晩まで、作業者が客先の施設内に常駐することも珍しくありません。SIの作業場には、机やPCを使えるなどのスペースが必要です。そのため、客先に作業場を借りることになります。

ところが、客先の施設にはもともとSI業者が作業する場所など想定されていないはずです。しかしそれでも場所を用意しなければならないため、やむを得ず日頃あまり使われない空き部屋などに作業場を割り当てることになります。多くの作業者が、そのような場所で仕事をしています。そのような事情で、SI作業の仕事場は暗く汚い場所と思われがちになるのです。

本人の気の持ち方によって「3K」の仕事でなくなる

これまでSI作業の現場の実態についてお話ししました。まさに3Kの典型ではないかと思った方もいるかもしれません。しかし、SI作業の現場はエアコンがなかったり近くにトイレがなかったりするほどの劣悪な環境ではありません。そして、何より構築したシステムを使ってもらうことで、お客様の業務に貢献できるというやりがいがあります。

そのため、本当に3Kかどうかは作業者本人の気の持ち方しだいだと思います。

このように、SI作業の現場は客先の都合に合わせて作業スケジュールを立てています。そして客先の施設を間借りして仕事を行うことが多いため、必ずしも良好な作業場が与えられないこともあります。しかしそのような作業環境でも、真面目に仕事をしてお客様に喜んでもらえるシステムを構築していくのがシステムエンジニアの責務であると思います。